まだ気づく前のこと

誰かに伝えられるクオリティ少し前のこねこね日記、書き直し無しの徒然草

【メモ】理念・戦略・ビジョン の整理

講義でよく説明するのですが、たまに自分でもこんがらがるので整理用に。

 

使命=ミッション

会社や組織は何のために存在するのか、経営をどういう目的で、どのような形で行うことができるか、普遍的な価値観を示す

 

価値・行動指針

組織として何に価値を置き、どのように行動するか

 

ビジョン

企業の目指す姿・形の“Visible(目に見える)”なイメージであり、ある時点で定め、その時点でどうなっていたいか?を示すもの

 

 

戦略(Strategy)

ビジョン を達成するための手段。

企業の持続的な競争優位性を確立する為の基本的枠組み

 

*理念、ミッション、ビジョン等は意味として直することもあり厳密に区別される事はあまりない。

あえて、異なる点としては理念が組織として普遍であるのに対し、ビジョンと戦略は外部環境や時代に合わせてその都度最適なものを策定することが求められる点である。

 

捕捉

ちなみに、アルフレッド・D・チャンドラーは.『Strategy and Structure』の中で、「組織は戦略に従う」と述べており、「まず戦略ありき」と言われるように、戦略に従って組織編制を行うことの重要性を説いている。例えば、解決すべき課題が明確で、自社の事業戦略が明確に定まっている場合は、プロジェクトチーム制をとるなどが、これに当たる。


それに対して、「戦略は組織に従う」という考え方をアンゾフは説明している。これは解決すべき課題に対して、自社の組織あるいはチームが解決し得る手法を戦略として立案することが効果的であるという説明がなされる。

 

私が考えるには、人材の流動性が前者の姿勢をとるのか、後者の姿勢をとるのかに影響を与える。多様な職能が集まり、集学的に最適解を探そうとしている場合、課題に合わせて組織を再編成しづらい。そのため、後者の姿勢をとりやすく、一般的な病院のマネジメントはこれにあたるのではないかと思う。いわゆる手法ドリブン、「我々には何ができるのか」からスタートする。

しかし、俯瞰して医療の公益性や社会的なインフラとしての役割、そして社会情勢が病院の経営に大きな影響を与えることを考えると、社会が抱える課題と医療機関が解くべき課題は一致している方がサスティナブルである。そのため、手法ドリブンではなく課題ドリブンであるのが理想である。

前述の通り、医療機関は「我々に何ができるか」とプロダクトアウトの発想に陥りやすい。専門職集団によって部署が構成されるため、人材の流動性を高めにくいのが課題である。

いくつかの医療機関では、職種に横ぐしをさし課題別にチームを設けている。診療科に医師だけではなく看護師や栄養士、理学療法士放射線技師を配属させ、専門性を付与している。こうして、組織の中に課題に基づいたチームを編成し、「戦略に従う組織」を実装している。